度派手な音がした。
それはもう、がっつんとかごっちんとか兎に角形容し難い痛くて鈍い音。
「~~~~~っっっっっっっ!!!!!!!!!」
深く寝入っていた彼は突然の衝撃と痛みに飛び起きた。
飛び起きて ……あまりの眩暈にそのままうずくまるような姿勢をとる。
目を開けても閉じても星が飛んでる。チカチカする。
その上ぐっすり寝ていたところを無理矢理起こされたのだから吐き気までする。
何が起きたのかなぞ、全くわからなかったが。
ただ、この衝撃が何故か直ぐ横で突っ伏して寝ている居候にあると彼は直感し。
ガンガン痛みと吐き気が響いているにも関わらず、すーっと目を細め、そして…
「大丈夫ですか!?」
「ヨクト!?」
主の只ならぬ気配を察し、駆けつけた遣い魔二人が見たものは…
「俺に夜這い仕掛けようたぁ、一億年早ぇっっっっ!!!!!」
目の下に黒い隈をくっきりと浮かび上がらせぐぅぐぅ幸せそうに眠ったまま
主の鉄拳左ストレートで吹っ飛ばされる居候の姿だった。
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事の原因が、少し前に居候と某花エルフの間で起きた事件と賭けコロだと
翼人が知るのはもう少し後の事である。