外が妙に騒がしいことに、聡い耳を持つ少年は気が付いた。
どうやら番樹として庭に放っているモミノキモドキが何かと争ってるらしい。
音から察するに、相手は複数。
眼の前の幼子も事態に気が付いたようで、鋭い目をして外を睨んでいる。
二人はこの大農場に住む、『双つ姿の翼人』を名乗る者の使い魔。
主人である翼人を護る事が彼等の最優先事項。
今、その主は連日の寝不足解消のため深く寝入っている。
もしかしたら起きているのかもしれないが、作業に没頭しているのかアトリエから出てきていない。
「…確認してくるからイディは中に居て。不審者が来たら破砕して良いからね」
少年はそう幼子に告げると、用心深く外に出て様子を伺う。
灯りがなくとも明るい、満月の光の下で彼が見たものは。
番樹に襲われ追い払われる武装した男達と、家の壁際に呆然と佇む白い装束の青年だった。
