暁月(あかつき)の天使は往く。
彼女が還るは天に非ず。
そは世界の裏、常闇の世。
奇しくも彼女が愛した紅と同じ日に
同じように色を抜く事を選んで…
血色抜けて残るは
生無き白の
物語らぬ
人カタチ
また、この日なんだな…。
去来する想いはたった一欠片の魂から。
半身を喪失した記憶が齎すのは塩辛く苦い感情。
一欠片にすら刻み付けられた古傷の痛み。
侵食されそうになる意識に抗って吼える。
―――それは『俺』の記憶じゃない。
元気で、と、残した言の葉が偽りにならぬよう。
内は大荒れでも外は穏やかに微笑んで。
この笑顔を貴女の旅路に奉げよう。
貴女の行く先には彼らが居る。
その日は遠い方が良いと願いながら
それでも心待ちにしている奴が。
…風煌翠華が繋いだ二度目の出逢いに感謝を。
あいつ等によろしく伝えといてくれるか?
俺は当面……、いや。可能な限り還る気はねぇって。
