「あーっ、ヨクトってばどこ行ってたの!!」
扉を開けた途端、聞こえてきた声と躯への結構な衝撃。
ある程度予想はしてたので踏ん張れたが…ううむ、中々良いタックルだ。
こりゃひっくり返される日も近いかもしれないな。
「…お帰りなさい」
「おう、ただいま」
空いてる片腕で飛びついてきたイディアを抱きかかえたまま応じる。
流石にディドは飛びついては来ないが…なんでそんなにジロジロ見る?
「……どこも新しくはないようですね」
ほっとしたように呟かれた言葉を聞いて、苦笑い。
そういうことか。
「あぁ。上から止められt―――」
「だからヨクトってばどこ行ってたの!?」
「イテッ! こら、髪を引っ張るなっ! 抜けるだろっ」
「イディ…主人は仕事に行ったって言ったじゃないか」
「ボクたちをおいて?
そんなのおかしーよっ。いつもおしごといっしょにするのにっ!」
「わーった、話す。話すから、兎に角髪を引っ張るな;」
全く…これだからお子様は困る。
ま、でも。
二人に色々詫びなきゃならんのは事実だし…タックルから
何とか守れた館産のとびっきりの料理類を並べて。
一日遅れのささやかなパーティでもしようじゃないか。
…勿論、居候も加えてね。
「…ところで、ナセルはどうしてる?」
ふと留守期間に居候が何かしでかしてやしないかと気になり、ディドに問う。
「特に問題は起こされてませんが…そういえば、今日はまだ見ませんね」
どうしてる、で意味が通じるんだから何ともはや。
ま、特に何も問題起きてないならいいか…某騒動で疲れたんだろ。
と、勝手に納得したのが超油断。
プレゼント交換会でナセルに届いた品を知り、是だからお子様は!と
頭を抱える事になるなんざ…全く予想もしていなかった。
