こめかみに思いっきり指を押し付ける。
あぁ、本気で頭が痛い。
どうしてこんな事態になるんだ。
机の上には館から持ち帰ってきた、館産のとびっきりの馳走。
それから真打サンタ殿と、友人達が届けてくれたという甘味。
そして、ナセルが薔薇のサンタから貰ったという貴腐ワイン。
どこからどう見たって平和な日常の、ちょっとだけ特別な一幕だろうに。
風ではありえない異常な量の雪が舞い、酷い地響きが続く。
窓の外を眺めていた居候が、すっかり酔いの醒めた青い顔で振り返り、叫んだ。
「わ、わかったぞヨクト
あれは、サンドワーム"亜種"だ!!」
…亜種って何だよ亜種って!!!!!!!!!!(吼
事の発端は…ナセルにプレゼント交換会で届けられたという貴腐ワインを味見し、
出来上がっちまったところからか。
すっかり出来上がったナセルが酔った勢いで「砂漠では絶対に奏でてはいけない楽曲」を披露したのが最大の原因だろう。
なんでも、『サンドワームっていう凶暴なでっかい虫を呼んでしまう』楽曲だそうで。
北国…つか永久凍土のこのカーシャでなら問題ない、と思ったらしいがな。
まぁ普通に考えたらそうだろうが…結果として、冒頭の自体に繋がるというわけだ。
要するにこの永久凍土のどっかに棲んでたらしいアイスワーム?とでも言うべき奴を呼び寄せた、と。
…あー…ご近所さん、家やら畑やら大丈夫だろうか……
このまま放置、というわけにも行かず。
兎も角玄関を開けて外を見れば、見上げるほどにでっかいミミズ。
いや、ミミズって言えば可愛い感じもするが、全然可愛さはない。
序に全く柔らかそうな外皮をしてない。
「……どうしますか」
俺と同じく、ワームを見るのが初めてではないディドが半ば呆れながら、
それでも冷静さを失わずに問う。
ちなみにイディアは余りの事態に目をまあるくして驚いてる。
「どうするって…やるしかねーだろ…。ワーム系とやるのは初めてじゃねぇから勝手はわかるけどさ、
ソレにしたってこんな農業地帯のど真ん中で戦えってマジでありえねぇ…」
物凄く深い溜息を一つ。
「あぁもう。即刻片付けるぞ。
ディド、ちと大変だと思うが周囲の家屋類全部、結界張っといてくれ」
「はい」
「イディア、中に戻れ。――――――面倒だからどっかに“飛ばす”。流石にあのでかいのを
俺単独じゃ消耗でかそうだからな…補佐を頼む」
「うん、わかった」
「お、俺は…」
「………そこで猛反省してろ。何もするな。何も奏でるな。
これ以上何か仕出かしたら北極海に沈めてやる(怒」
