漂風的雑記帳-似非絵師を自称するモノが徒然に書いてる雑記帳。
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意識を沈める。深く、深く―――――
眠りではない。意識的に内へ内へと潜る。己が内側にある、冥府の闇に達する為に。
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「故郷に戻るんだって?」
居候たる少年が席を外している隙に、家主たる青年は彼のペット…もとい、家族である二人に問うた。
「―――…
……元々時限付の存在だ。本当ならもっと前に消えていた筈の。だろ?」
青年の口端に笑みが浮かぶ。それを見て、もう一人の青年は溜息をついた。
度派手な音がした。それはもう、がっつんとかごっちんとか兎に角形容し難い痛くて鈍い音。
灯りに追いやられ、部屋の隅に圧縮されていた影達が揺らめく。最初はほんの漣程度。次第に振幅が大胆になり、溶岩のようにぼこぼこと膨れ上がり始める。
幾ら背後で起きている出来事とはいえ、それに気が付かない筈が無いのに部屋の主―――青年は作業場所と定めたそこから動こうとも、いや、振り返ろうともせず、ただ黙々と作業を続けていた。
如何に禍々しい現れ方であったとしても、歓迎こそすれ拒絶すべき相手ではないことを知っていたから。